おっぱい


by further_f
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

借りパク~マチュピチュ



ROHANに復帰して仲間と話していると、やたらとキバが借りパクされた話が出る。


キバは多分っていうか間違いなく、ROHAN内では物凄くバカだと思われている。


そしてROHANで1、2を争うなような借りパク被害者でもある。





とにかく色々借りパクされる。


面白いくらいに。


本当は笑っちゃう位に優しい奴なんです。





何か、からあげ君が少し前にシアクに借りパクされたとかどーのと、色々あったそうですね。


やっぱりどこにでもそういう輩は居るんですね。





僕が居る時代も、マチュピチュという人が、FURTHERからアクセ四つを借りパクして逃亡しました。


今更そんな事はどうでもいいのですが、マチュピチュという名前で思い出した事を、リアルの話なのでROHANと関係ありませんが、書いておこうと思います。


昔の事ですが、僕にとっては大切な思い出なので。












僕にはエイジ君という親友が居た。


エイジ君とは、小学生の頃から一緒に遊んでいた。






何をするのも一緒だった。





駄菓子屋に行くのも。


スカートめくりするのも。


悪ふざけするのも。


先生に叱られるのも。





本当にいつも一緒だった。





エイジ君は、いつも僕に言っていた。





「世界遺産をいっぱい見たい」





中でもエイジ君のお気に入りは、雲の上の空中都市マチュピチュだった。





僕にとっては、世界遺産なんて興味なかった。


遊ぶ事で頭がいっぱいだった。


僕が聞き流しているのを分かっているのに、エイジ君は





「ガク、いつか一緒にマチュピチュに行こうぜ」





いつも口癖のように言っていた。





中学生になり、僕はバカ丸出しの帰宅部、エイジ君は運動部になった。





僕には悪ガキ友達、エイジ君には部活の友達が増えていった。





僕がエイジ君を遊びに誘っても





「部活あるから・・・」


「部活の友達と約束があるから・・・」





いつも断られていた。


お互いに一緒にいる時間が少なくなり、次第に疎遠になっていった。





中学卒業の頃には、学校の廊下で会っても声を掛け合うことがないくらいだった。





中学卒業後、僕はそのままバカ仲間と遊んでいたが、エイジ君は違った。





エイジ君は高校に行かず、自営業の手伝いをしていたので、中学時代の部活仲間とは遊ばなくなった。


遊ぶ友達が居なくなった寂しさなのか、僕に電話をしてくるようになった。





「ガク遊ぼうぜ」





しかし僕はエイジ君の誘いをいつも断っていた。


僕が警察に捕まった時、エイジ君が面会に来てくれた。





「ガク釈放されたら、また一緒に遊ぼうぜ」





僕はそれでもエイジ君と遊ばなかった。





『自分が遊ぶ友達いなくなったからって、都合のいい時だけ友達面すんじゃねえ』





僕はそう思って、エイジ君から謝って来るまでは絶対に遊ばないと決め、何年間も誘いを断り続けた。





エイジ君はよほど寂しかったのだろうか。


僕とまた友達になろうと必死だった。





僕が悪ガキをしているので、エイジ君は自分も悪ガキになろうとした。


僕とは違うグループと遊ぶようになり、僕と同じ環境に馴染もうとした。





エイジ君が付き合うようになったグループは、僕のグループと違い、皆ドラッグをやっていた。





エイジ君は、僕もドラッグをやっていると思ったのだろう。





僕が薬をやらない事をエイジ君が知った頃、エイジ君は既にドラッグ中毒になっていた。





僕がエイジ君を頑なに拒み続けていたのは、僕の心の狭さだった。





『どんなに勇気を出して俺を遊びに誘ったのだろうか』





それを全く考えず、ただただ何年間も拒み続けていた。


後悔した僕は、エイジ君の家に何度か顔を出した。





しかしエイジ君は、いつもドラッグをやっていて、まともに話せる状態じゃなかった。





僕の顔を見ても、うつろに笑っているか、独り言をぶつぶつと言っているだけだった。













ドラッグをやめさせようと、エイジ君の仲間を締め上げた。


エイジ君が薬を入手出来なくなるよう、エイジ君に近寄る仲間は全て締め上げた。


エイジ君の仲間を、一切見かけなくなるまで締め上げた。





その事をエイジ君に伝えに行った。

















「余計な事すんじゃねえよ・・・お前が薬持ってきてくれんのか?」

















エイジ君はインターホン越しにそう吐き捨てた。





僕のした事は、単なる自己満足だったのか。


エイジ君をドラック漬けから抜けさせたい気持ちは本物だった。


しかしエイジ君をまた独りぼっちにさせてしまったのも僕だった。





エイジ君の事を気にかけながらも、自分がどうすればいいのか分からないまま半年経ったある日、中学時代の友達から電話があった。






























「ガク、エイジが死んじゃったよ・・・」











独り暮らしをしている部屋で、携帯を握り締めたままエイジ君は死んだ。


仕事に出てこないのでおかしいと思った親が発見するまで、4日間誰にも発見されなかった。










エイジ君は死ぬときも独りぼっちだった。










死因は、自殺ではなく薬物中毒症状による心不全。


その他にも、いろいろな病気を併発していた。


それを聞き、僕は言葉にできない複雑な気持ちでいっぱいだった。





悲しいけれど、何故か涙は出なかった。












エイジ君の葬儀も終わり、数日経った。


エイジ君のお兄さんが僕を尋ねてくれた。





「コレ、エイジが死んだ時に握ってた携帯」





そう言って、僕にエイジ君の携帯を見せてくれた。


リダイヤルの履歴を見ると、エイジ君が死んだ日、最後に電話を掛けたのは僕にだった。


でもその日、僕の携帯にエイジ君から掛かってきてはいない。





多分、掛けて鳴る前に切ったのだろう。





『エイジ、苦しくて助けを求めたのかな』


『俺に怒りたくて電話してきたのかな』





色々と考えた。





「コレも見てやってくれよ」





僕はエイジ君にメールアドレスを教えていなかったのだが、友人づてに聞いたのだろう。


エイジ君が僕に電話した後に作成した、僕宛のメールを見せてもらった。











件名は



「ガクありがとう」



僕はそのメールをゆっくりと読んだ。








-----------------






電話しようかと思ったけど、ガクに怒られそうだからメールにするよ。





俺が薬から抜け出せるようにしてくれたんだよな。





この前はヒドイこと言って悪かったよ。





ガクが俺のこと許してくれたら、また一緒に遊ぼうよ。





ガクは女好きだから、また誰か狙ってるんだろ?





応援するから、また一緒に遊ぼうよ。





昔みたいに遊べるようになりたいよ。





また一緒に遊びたいよ。





今は俺ドラッグでボロボロだけど、絶対立ち直ってみせるよ。





だからガク、許してよ。





ガクが許してくれたら、一緒に行きたいところがあるんだ。














ガク、いつか一緒にマチュピチュに行こう。











-----------------





僕はこの未送信のメールを送信し、自分の携帯に残した。





『何で俺より先に病院に電話しなかったんだよ』


『俺はエイジに何もしてあげれなかった』


『俺も本当はエイジと遊びたかったよ』


『エイジも俺の事を許してくれよ』





色々と後悔した。





エイジ君の気持ちは僕に伝わった。





その気持ちが痛い程伝わった。





その痛さから、涙が止まらなかった。














エイジ君は死んだ。





エイジ君はもう居ない。





だから僕は今こう思っている。














いつかマチュピチュに行き、それを親友のエイジに報告しようと。





ROHANと関係なくてゴメンなさい。
[PR]
by further_f | 2011-04-06 07:25 | がく