がくの初恋ミラクル
2011年 04月 15日
今回もROHANと関係ありません。
聞きたくない人も多いけれど、僕の初恋のお話をします。
甘く切ない初恋のお話です。
今考えると、必然が重なった出来事なのかもしれません。
しかし、当時の僕にとってこんなミラクルはありえない出来事でした。
中学2年生~卒業まで同じクラスにユイちゃんと言う女の子が居ました。
3年生の時は、1年間ずっと隣の席でした。
学校で1番頭の良い子で、ガリ勉丸出しの眼鏡に三つ編。
学校で1番頭の悪い僕とはまるで接点が無く、中学3年生の夏休みまでは、隣の席なのに会話さえした事がありませんでした。
その中学3年生の夏休みに、僕の家にユイちゃんから電話がありました。
「親が旅行で居ないから、よかったらウチに遊びに来ない?」
一度も会話した事が無いのに何故?
隣の席の頭の良い女の子。
その程度にしか思っていなかったので普通に驚きましたが、暇だったので行く事にしました。
電話口で聞こえた複数の女の子の声に釣られたなんて事は無い。
絶対に無い。
ユイちゃんの家はマンションの1階角で、すぐにドコなのか分かりました。
ユイちゃんの家に着くと、既に女の子が5人ばかし居てワイワイしていた。
わーおハーレム、なんて思ったなんて事は無い。
絶対に無い。
何故僕が呼ばれたのか、それはすぐに分かりました。
ユイちゃんの友達の女の子が、僕と仲の良いノブ君の事がとても好きだったからでした。
「ノブ君呼んであげて」
とユイちゃんに言われ、僕はノブ君に電話した。
「は?俺そんな女知らないから」
ユイちゃんのお友達は、告白する前に撃沈してしまいました。
気まずくなった僕は、帰ろうと思い逃げるように玄関へ向かいました。
そこで僕は、玄関の横の洗面所で、眼鏡を外し髪の毛をとかしているユイちゃんを見つけました。
『あれ?こんな可愛かったっけ?』
今まで意識した事もなかったのに、気が付くと僕はユイちゃんに見とれて居ました。
当然、帰る気は消え失せました。
「ユイって可愛いんだな、ずっと隣の席なのに気付かなかったよ」
「え?ちょっと恥ずかしいんだけど・・・」
「いや、マジでちょっと惚れそう」
「冗談でも嬉しい・・・」
「ホントだって」
かなり脈ありな感じで、ユイちゃんはその後すぐに寝てしまい、僕はユイちゃんのお友達と話して、翌朝帰る事になりました。
その日は夏休み中に学校に行かなくてはならない登校日。
学校へ行く準備をしているユイちゃんに声をかけられた。
「ガクちゃん今日来ないでしょ?2学期からはちゃんと学校に来てね」
少し照れているのが分かる。
なんで1年以上も、こんな可愛い子が隣に居たのに気付かなかったんだろう。
僕はこの時、ユイちゃんの事を好きになってしまった。
ユイちゃんに恋いに落ちた僕。
ええ、ROHAN民の皆さん。
どうぞキモイと言ってくださいよ。
こんなキモイ僕でも本当に恋に落ちちゃったんですよ。
2学期の始業式からは、大好きなユイちゃんが隣の席だと思うといてもたってもいられない。
そして2学期の始業式。
僕は前日の夜、遅くまで遊んでいたので、この日は学校をお休みした。
そして翌日。
僕はユイちゃんに笑顔で挨拶をした。
「ユイおはよ!」
「…………」
ユイちゃんは下を向いて走り去った。
どうしたんだろう。
照れてるのかな。
僕はユイちゃんの傍に居たいので、その日は授業も真面目に出た。
教科書に落書きをしていて失敗したので、ユイちゃんに消しゴムを借りようとした。
「消しゴム貸して」
そう言いながらユイちゃんの消しゴムに手をかけると
「やめてよ…」
「え???」
「話しかけないで…」
さっぱり意味が分からない。
あの時の照れた顔はなんだったんだ?
ユイちゃんを怒らしたであろう理由を考えてみた。
といいますか、実は考えるまでもない。
「2学期からはちゃんと学校に来てね」
そう言われたのに、さっそく初日にサボってしまったからだ!
というのは嘘で、本当はユイちゃんが寝た後に、ユイちゃんの友達に手を出そうとしたのがバレたんだろう。
「じゃあ話しかけねーよ、ナメんなよ」
僕はお子様だったので、悪態をついてしまう始末でした。
そして隣の席なのに、一言も口をきかずに卒業。
そして卒業してから2ヶ月と月日は流れました。
まだユイちゃんの事が好きな僕は、何か機会はないものかと卒業文集を見ていたら、ユイちゃんの誕生日が近い事を知った。
プレゼントを渡して、軽い男だった事、でも本当はユイちゃんの事を大好きな事を伝えて、謝ろうと思った。
僕は必死でバイトをし、15歳の僕には精一杯のプレゼント、クリスチャンディオールの時計を持ち、誕生日の夜ユイちゃんの家に向かいました。
しかし、夜行性だった僕にとって深夜11時と言えば活動時間なのだが、普通の15歳じゃ寝ているかもしれない時間だ。
ましてや家のインターホンを鳴らすのも、電話をかけるのも、非常識な時間でもある。
でも誕生日である今日中に渡したい。
どうしてもユイちゃんに気持ちを伝えたい。
12時になって日付が変わる前に。
誕生日が終わる前にサプライズを!
そんな気持ちのまま、僕はユイちゃんの家の周りをウロウロしていた。
埒があかないと思った僕は、ユイちゃんの家のベランダをよじ登った。
幸い電気は点いていて、カーテン越しにユイちゃんが動いているのが見えた。
ユイちゃんが居る!
そして、僕は喜んでユイちゃんの部屋の窓を叩く。
コンコン。
コンコン。
コンコンコン。
「お父さん!外に誰かいる!」
当然のことである。
夜中ベランダに人が居たら驚くだろう。
瞬間で自分のしたミスに気付いた僕は、とりあえずパニックになり逃げだす。
ベランダを颯爽と飛び越える!
足首を捻挫。
柵をヒラリと飛び越える!
スネを痛打。
そしてプレゼントを持っていると、ユイちゃんの家のベランダに侵入した証拠になってしまうと思い、プレゼントを建物横の排水溝へ投げ捨てる!
12万円がパー。
前方には、ウロウロしていた僕を不審に思った近隣の通報で駆け付けた警察官と刑事が!
六尺警棒で殴られながらも辛うじて逃げれそうだ。
このまま逃げればなんとか次のチャンスがある。
そう信じて逃げる僕の前に、最大の危機が。
バットを持ったユイパパが来た・・・
ユイパパも追いかけてきて叫ぶ。
「この泥棒が!!」
『違うの、全然違うの、ボク泥棒じゃないの、盗みじゃなくてプレゼントしに来たの…』
涙目で逃げる。
しかし、待機していた他のお巡りさんに捕まった。
ハリウッド映画さながら、後ろ手にされ地面にうつ伏せでおさえつけられる。
終わった。
完璧に終わった。
最悪の形で終わった。
こんな悲惨でミラクルな初恋なんてありえない。
そして僕の甘く切ない初恋は終わりました。
どうかROHANの女性の皆様。
こんな哀れな僕に愛の手を。
by further_f
| 2011-04-15 02:25
| がく