1を聞いて10を知る
2011年 04月 29日
今日もROHANと関係ありません。
僕の従兄弟のケン君のお話です。
彼はその独創的な思考により、物事を多角的に捉える事が出来ます。
「1を聞いて10を知る」
まさに彼の事だと思います。
そんなケン君と僕が、とても高尚なお話をしていました。
「ねえガク、Mって何の略?」
「マゾとかマゾヒストだろ」
「マゾヒストか」
「うん」
「何でマゾヒストって言うの?」
「マゾッホって人が居て、ソイツがイジメられて快感とかぬかしてるド変態だから、そういう人の事をマゾヒストって言うのが語源だったよーな」
「そーなんだ、じゃあSは?」
「サドとかサディストだろ」
ここまでの説明を聞き、1を聞いて10を知るケン君は
「じゃあサドッホはイジメ好きなド変態野郎なんだな」
と言い切っていた。
もちろんサドッホなんて居ない。
サド侯爵である。
「ゲイとかホモは何となく分かるんだけどさ、バイって何?」
「バイセクシャルだろ」
「両刀使いの事か」
「バイってのはBiの事でよ、2って意味があるんだよ、だから男も女もOKって事だろ」
「2?」
「そうそう、例えばBikeのBiは2輪の2って意味だし、2進数はBinary、Biathlon競技はスキーと射撃の2つをやるからアタマにBiが付くんよ」
「なるほどー」
ここまでの説明を聞き、1を聞いて100を知るケン君は
「オッパイは、2つあるからパイが付くんだよ」
と、今でも風俗嬢に言い切っている。
パイではなくバイである。
「テメー全然分かってねーじゃねーか」
「いやぁ、2絡みの英語に、たまたまBiがついただけじゃないの?」
「3絡みのモノだってあんぞ」
「ほう?どんなの?」
「3絡みのモノはアタマにTriが付くんだよ」
「それで?」
「三角はTriangle、三人組や三重奏はTrio、三部作はTrilogy」
「ほう」
「分かったか能無し猿」
ここまでの説明を聞き、1を聞いて1000を知るケン君は
「じゃあトリオン座は真ん中に3つ星があるからなんだな」
そう信じておけばいいと思うようになった。
しかし、このままではこの哀れな猿は社会人として堕落してしまう。
この猿に一般的な教養を身につけるのが無理だと悟った僕は、せめて人から愛されるような人物になってもらおうと、ボランティアに参加させた。
ボランティアの内容は、町内のゴミ拾いだった。
空き缶やペットボトルだけにとどまらず、腐った生ゴミまで所構わず捨ててある。
暑い日差しの中、そのようなゴミをせっせと拾いながら、僕はケン君に声をかけた。
「ケン、お前はバカなんだから、せめて誰からも愛されるように、人の嫌がる事を自ら進んで出来るような人間になれ」
僕のアドバイスを聞き、1を聞いて全てを知るケン君は
「人の嫌がる事?なら夜中にこのゴミを全部元の場所に戻してやるぜ!」
彼は産まれて来なければよかったんじゃないかと。
by further_f
| 2011-04-29 05:41
| がく